西安の言葉遣いの特徴について、新しく気がついたことがあったので挙げてみる。“没事儿”(気にしないで、どういたしまして等)の言葉の発音が、普通話と違ってsの音が強いということである。ある日、西安のとあるご飯屋さんで何度もsの発音が強い店員さんの“没事儿”を聞いた。その後その話をしていたら、「それは西安の方言だよ」と教えていただいた。日常的に耳にするような気はしていたが、あまり強く意識したことはなかった。教えてもらうことを通して、また新たに西安の特徴を知ることができた。また、以前書いたことがあるが、西安の方言で“○○得很”(とても○○だ)という表現がある。あることは知っていたが、ついこの前から誰かとの会話の中で使えるようになった。知っているという段階から使えるという段階に入ったことを嬉しく思うとともに、使えるものをもう少し増やすことができたら面白いだろうと感じた。
また今月教えてもらったことで面白いことがある。それは西安の名物に肉夹馍に関わる話だ。これはパンのようなもので肉を挟んだ中国式ハンバーガーとも呼ばれる食べ物だ。西安ではこれを肉夹馍と呼ぶ。しかしながら、これを文法的に考えると少し変だということだ。夹という字は挟むという意味だ。だから本来ハンバーガーのようなものを呼ぶとしたら馍で肉を挟んでいるので、すなわち馍夹肉と呼ぶ方が正しいのではないかということだ。では、なぜ馍夹肉ではなく、肉夹馍と呼ぶのか。それにはいくつか理由があるようだ。
1つ目は、古代の中国語では、“肉夹于馍”と呼ばれていて、肉夹馍はそれを省略した名前だというものだ。2つ目の考え方では、陝西省の方言で“馍夹肉”と呼んだ時に発音の問題で、肉が入っていない馍すなわち“没夹肉”と聞こえてしまうため、馍夹肉とは呼ばないというものだ。3つ目の考え方では、肉という字が初めに来た方が、肉の存在感が出て、美味しそうに感じるというものだ。理由はいろいろあるようだが、面白い問題だなあと感じた。
西安と日本の共通点について、この季節だからこそ気がついたことがある。それは西安にある青龍寺の桜の花が日本から贈られたものであるということだ。青龍寺には桜の花があり、3月下旬になると見頃を迎える。その時期には、たくさんの人が桜を見に青龍寺へ足を運ぶ。その桜は、1985年に日中友好交流の記念として日本仏教協会と香川県などの団体から苗が送られ、その苗が成長したものだそうだ。その時期に青龍寺に行くことを勧められたが、桜の見頃の時期は、入場券の予約がいっぱいだったため、結局行くことを諦めてしまった。たくさんの人が日本の桜を見に予約をして行ったり、桜の前で写真を撮ったりということを考えるとこれも日本との共通点の一つではないかと考えた。桜以外にも西安は三月下旬にたくさんの種類の花が見ごろを迎えて、友達と花見や散歩に行った。国は違っても花を綺麗だと感じる心は、やはり同じであると感じた。
今度の投稿に花の写真を載せて下さい!